2007年 07月 07日
メイショウバトラー 貫禄の圧勝で重賞3連勝 |
名古屋と浦和の交流重賞を連勝した“マイナー女王”メイショウバトラーが、4日、川崎競馬場で行われたスパーキングレディーCに重賞3連勝を目指して出走。
当日は梅雨空となり、午前中から降り出した雨がその後も強くなったり弱くなったりジメジメと降り続き、重馬場となった状態でレースは行われた。
この空模様によって重くなった馬場状態は、芝でも通用するスピードを持ち、実績と実力とも抜きん出ているメイショウバトラーの勝利をさらに確固たるものにしていた。
鞍上には4戦連続で武豊が騎乗。
当然のように、単勝1.5倍という圧倒的1番人気に支持された。
レースでは、レイナワルツが引っ張る淀みの無い流れの中、先頭3頭をじっくりと見るように、その直後の外めから追走。
3コーナーからレイナワルツが後続を突き放しにかかると、先頭集団のクインオブクインとアグネスカルミアが早くも脱落するが、メイショウバトラーは馬なりのままでこれを追走。4コーナーではレイナワルツとメイショウバトラーの2頭が後続を大きく引き離す。だがこの両馬の手応えの差は歴然で、直線に入って武豊がゴーサインを送ると、一瞬にしてレイナワルツを抜き去り、あとは完全に独走状態。2着レイナワルツに6馬身差をつけ、1分38秒7のレースレコードで圧勝した。
このメンバーの中では、まさに次元の違う強さで“マイナー女王”の貫禄を見せつけてくれた。
これで、武豊とコンビを組んで4戦3勝。
かつての主戦で、泥臭さのような印象を感じさせる地味で渋い哲三の方が、マイナーな血統背景を持つこの馬に合っていると思うが、天才・武豊との新コンビもすっかり板についてきた。
まさしく女王にはふさわしいパートナーであると言えるだろう。
これだけの圧倒的な強さを見せられると、この馬は“マイナー女王”だけに留まらず、“砂の女王”と呼んでもいいとさえ思える。
過去には、ホクトベガ、ファストフレンドといった“砂の女王”がいた。
だが、やはり“砂の女王”と呼ぶにはGIのタイトルは必要だろう。
メイショウバトラーは重賞を7勝しているが、その全てがG3(Jpn3)だ。
この馬の過去を振り返ると、あの凄まじい酷使によって発症してしまった屈腱炎の長期休養がつくづく惜しまれる。
競走馬としての充実期を牧場で傷を癒すことだけに過ごし、棒に振ってしまった損失は計り知れなく大きいだろう。
あの故障さえなければ、どこまで強くなっていただろうと思ってしまう。
ダートGIのタイトルを既にいくつか獲っていたはずだ。
今後は悲願のGIタイトルを目指して調整してもらいたい。
この馬の距離適性を考えた場合、最もその可能性があるのが、いやこの馬に残された唯一のチャンスとも言えるのが、マイル戦の南部杯だろう。
牡馬の一流どころが相手でも、小回りのコースでうまく立ち回ればチャンスは訪れる。
先日、帝王賞を制したボンネビルレコードはマイラーというタイプではなく、大目標はその先にあり、回避も考えられる。
ブルーコンコルドは昨年の覇者とは言え、依然左回りに難が残っている。
サンライズバッカスは、スタート難や不器用な脚質から安定感に欠ける。
シーキングザダイヤは衰えが隠せず、アジュディミツオーは不振に喘いでいる。
復帰を目指しているカネヒキリもこのレースは視野に入れていない。
このように絶対的な王者がいない今のダート戦線の中、万全の状態で、最高の競馬が出来れば、メイショウバトラーにもチャンスはあるはずだ。
この南部杯を制するために、そのレースを万全で挑めるように目標を一本に絞って調整してもらいたい。
距離適性の合わないJCダートやJBCクラシック、大井記念などには目をくれなくていい。
GIのタイトルをより獲りやすくするためには、惰性で挑むのではなく、きとんと目標を定めたローテーションで獲りにいかなければならないだろう。
次走は、8/15に水沢で行われるクラスターCに出走する予定らしいが、そのレースを使って今のピークに近い状態を10月の南部杯まで維持できるのだろうか。
甚だ疑問だが、この馬の根性に期待したい。
今回のスパーキングレディーCには、ホクトベガメモリアルという冠がついている。
ホクトベガは本当に強い“砂の女王”だった。
“マイナー女王”メイショウバトラーもこのホクトベガに少しでも近づくような活躍を期待したい。
●ジョッキーのコメント(武豊騎手)
「強い馬に乗せてもらって嬉しいです。スタートはうまく出たし、周りの馬を見ながら思ったよりも折り合いもつきました。3コーナー手前から仕掛けましたが、少し早めの仕掛けでも強い馬なので大丈夫だろうと思っていました。牡馬相手にいい成績を残していたので、今回は負けられない立場でしたのでホッとしています」
メイショウバトラー以外にも、各地で好成績を収めたマイナー種牡馬産駒たちがいるので、紹介したいと思う。
メイセイオペラ産駒 ジョイーレ 牡4 2着 6/28姫路・ラジオ関西しらさぎ特別
ダンディコマンド産駒 ダンディキング 牡4 2着 7/1盛岡・岩鷲賞
タイキシャーロック産駒 リュウヨウ 牝6 1着 7/1金沢・ダイヤモンド特別
オースミジェット産駒 ゴールドジェット 牡3 1着 7/2盛岡・ガーネット賞
当日は梅雨空となり、午前中から降り出した雨がその後も強くなったり弱くなったりジメジメと降り続き、重馬場となった状態でレースは行われた。
この空模様によって重くなった馬場状態は、芝でも通用するスピードを持ち、実績と実力とも抜きん出ているメイショウバトラーの勝利をさらに確固たるものにしていた。
鞍上には4戦連続で武豊が騎乗。
当然のように、単勝1.5倍という圧倒的1番人気に支持された。
レースでは、レイナワルツが引っ張る淀みの無い流れの中、先頭3頭をじっくりと見るように、その直後の外めから追走。
3コーナーからレイナワルツが後続を突き放しにかかると、先頭集団のクインオブクインとアグネスカルミアが早くも脱落するが、メイショウバトラーは馬なりのままでこれを追走。4コーナーではレイナワルツとメイショウバトラーの2頭が後続を大きく引き離す。だがこの両馬の手応えの差は歴然で、直線に入って武豊がゴーサインを送ると、一瞬にしてレイナワルツを抜き去り、あとは完全に独走状態。2着レイナワルツに6馬身差をつけ、1分38秒7のレースレコードで圧勝した。
このメンバーの中では、まさに次元の違う強さで“マイナー女王”の貫禄を見せつけてくれた。
これで、武豊とコンビを組んで4戦3勝。
かつての主戦で、泥臭さのような印象を感じさせる地味で渋い哲三の方が、マイナーな血統背景を持つこの馬に合っていると思うが、天才・武豊との新コンビもすっかり板についてきた。
まさしく女王にはふさわしいパートナーであると言えるだろう。
これだけの圧倒的な強さを見せられると、この馬は“マイナー女王”だけに留まらず、“砂の女王”と呼んでもいいとさえ思える。
過去には、ホクトベガ、ファストフレンドといった“砂の女王”がいた。
だが、やはり“砂の女王”と呼ぶにはGIのタイトルは必要だろう。
メイショウバトラーは重賞を7勝しているが、その全てがG3(Jpn3)だ。
この馬の過去を振り返ると、あの凄まじい酷使によって発症してしまった屈腱炎の長期休養がつくづく惜しまれる。
競走馬としての充実期を牧場で傷を癒すことだけに過ごし、棒に振ってしまった損失は計り知れなく大きいだろう。
あの故障さえなければ、どこまで強くなっていただろうと思ってしまう。
ダートGIのタイトルを既にいくつか獲っていたはずだ。
今後は悲願のGIタイトルを目指して調整してもらいたい。
この馬の距離適性を考えた場合、最もその可能性があるのが、いやこの馬に残された唯一のチャンスとも言えるのが、マイル戦の南部杯だろう。
牡馬の一流どころが相手でも、小回りのコースでうまく立ち回ればチャンスは訪れる。
先日、帝王賞を制したボンネビルレコードはマイラーというタイプではなく、大目標はその先にあり、回避も考えられる。
ブルーコンコルドは昨年の覇者とは言え、依然左回りに難が残っている。
サンライズバッカスは、スタート難や不器用な脚質から安定感に欠ける。
シーキングザダイヤは衰えが隠せず、アジュディミツオーは不振に喘いでいる。
復帰を目指しているカネヒキリもこのレースは視野に入れていない。
このように絶対的な王者がいない今のダート戦線の中、万全の状態で、最高の競馬が出来れば、メイショウバトラーにもチャンスはあるはずだ。
この南部杯を制するために、そのレースを万全で挑めるように目標を一本に絞って調整してもらいたい。
距離適性の合わないJCダートやJBCクラシック、大井記念などには目をくれなくていい。
GIのタイトルをより獲りやすくするためには、惰性で挑むのではなく、きとんと目標を定めたローテーションで獲りにいかなければならないだろう。
次走は、8/15に水沢で行われるクラスターCに出走する予定らしいが、そのレースを使って今のピークに近い状態を10月の南部杯まで維持できるのだろうか。
甚だ疑問だが、この馬の根性に期待したい。
今回のスパーキングレディーCには、ホクトベガメモリアルという冠がついている。
ホクトベガは本当に強い“砂の女王”だった。
“マイナー女王”メイショウバトラーもこのホクトベガに少しでも近づくような活躍を期待したい。
●ジョッキーのコメント(武豊騎手)
「強い馬に乗せてもらって嬉しいです。スタートはうまく出たし、周りの馬を見ながら思ったよりも折り合いもつきました。3コーナー手前から仕掛けましたが、少し早めの仕掛けでも強い馬なので大丈夫だろうと思っていました。牡馬相手にいい成績を残していたので、今回は負けられない立場でしたのでホッとしています」
メイショウバトラー以外にも、各地で好成績を収めたマイナー種牡馬産駒たちがいるので、紹介したいと思う。
メイセイオペラ産駒 ジョイーレ 牡4 2着 6/28姫路・ラジオ関西しらさぎ特別
ダンディコマンド産駒 ダンディキング 牡4 2着 7/1盛岡・岩鷲賞
タイキシャーロック産駒 リュウヨウ 牝6 1着 7/1金沢・ダイヤモンド特別
オースミジェット産駒 ゴールドジェット 牡3 1着 7/2盛岡・ガーネット賞
by masa_ishizawa
| 2007-07-07 23:57
| 地方競馬