2006年 10月 13日
メルマガ版掲載 ピックアップ種牡馬紹介~ ホッカイルソー(1)~ |
先週、メルマガ版のピックアップ種牡馬のコーナーで掲載したホッカイルソーを掲載する。
< 傍流血統同士の配合から誕生した漆黒の善戦ホース ~ ホッカイルソー(1)~ >
血統的には、父マークオブディスティンクションは傍流血統マンノウォー系の貴重な血を継ぐ種牡馬である。
現役時代はイギリスで走り、クイーンエリザベス2世S(GI)などマイル重賞を3勝した。
現役引退後1991年にJRAによって輸入され、当初は日本軽種馬協会・静内種馬場で繋養されていたが、
協会所属の種牡馬には「異動」というものがあるため、後に鹿児島の日本軽種馬協会・九州種馬場に異動した。
マークオブディスティンクションは、交配頭数こそ増えたものの繁殖牝馬の質の低い九州で、
活躍馬を数多くの輩出し、「九州のサンデーサイレンス」とも言われた。
98年のひまわり賞(九州産馬限定オープンレース)では、なんと14頭中10頭がマークオブディスティンクション産駒だったというエピソードもある。
その九州供用時代の産駒には、新馬戦、フェニックス賞、小倉3歳Sとデビュー3連勝を飾ったコウエイロマンがいる。
そのマークオブディスティンクションは1996年に10歳という若さでセン痛のため逝ってしまった。
貴重なマンノウォーの血を継ぐ優秀な種牡馬だっただけに、非常に惜しまれる早世であった。
母ホッカイラブリーは、本馬と同じく北海牧場の生産馬で、遅いデビューとなった4歳夏の未勝利戦で初勝利を飾り、
その後3ヶ月間で6戦したが、2勝目をあげることなく引退した。
繁殖としては、1番仔、2番仔とも出走できなかったが、3番目の仔でホッカイルソーを輩出した。
祖母オプアートは北海牧場がアメリカから輸入した繁殖牝馬で、北海牧場の基礎牝馬となった。
オプアートは、ホッカイノーブル ( 牡 1973 父 ファーザーズイメージ ) 、
ホッカイペガサス( 牡 1981 父 ホッカイダイヤ ) という2頭の長距離重賞を制した産駒を輩出した。
特に、ホッカイダイヤを付けたホッカイペガサスは、北海牧場がステイヤーズSを獲るために配合した馬であるそうだ。
ホッカイラブリーの父でもあるそのホッカイダイヤはドイツからの持込馬で、傍流血統スターリング系の種牡馬である。
現役時代は1975年のステイヤーズSで2着に入るなど10勝した。
種牡馬としては、わずかな産駒を残しただけで、1996年に種牡馬を廃用となっている。
ホッカイルソーがマイナータイプのマークオブディスティンクションを父に持ちながら、
長距離戦でも好成績を残せたのは、このスタミナタイプのホッカイダイヤと母系の血の影響だろう。
また、ホッカイルソーは傍流血統同士の異色の配合の馬でもある。
漆黒で見栄えのする雄大な馬体をもつホッカイラブリー3番仔は、ホッカイルソーと名付けられ、美浦の田中清隆厩舎に入厩した。
田中清隆師と北海牧場は、田中の騎手時代のデビュー戦がホッカイチェリーで、初重賞勝利がホッカイルソーの伯父にあたるホッカイノーブル、
そして調教師としての初重賞勝利がホッカイルソーと、不思議と縁のある関係である。
ホッカイルソーは、旧齢3歳の1994年9月に中山の芝千六でデビューした。
岡部騎手を鞍上に迎え、1番人気に支持されたものの、道中の不利がこたえて10着に敗れた。
連闘で挑んだ折り返しの芝千六の新馬戦でも再び岡部騎手とコンビを組んだが、勝ち馬から7馬身も離された2着に敗れた。
中1週を開け、蛯名騎手に乗り替わった3戦目の芝千六の新馬戦で、ようやく初勝利を飾ることに成功した。
次走の福島のきんもくせい特別(500万下)では、大塚騎手に乗り替わり、ダイタクテイオーの3着に敗れたものの、
続く府中3歳S(OP)で再び蛯名騎手が手綱を取ると、7番人気ながら勝利し、早くもオープン入りを果たした。
これ以降は蛯名騎手が主戦騎手となり、このコンビでクラシック戦線を戦かった。
暮れのホープフルS(OP)では、前走で退けたマイネルブリッジの3着に敗れたものの、
続く年明けのジュニアC(OP)では、そのマイネルブリッジに2馬身差をつける完勝で3勝目を飾り、ダービーまでの出走権を賞金的に確定させた。
重賞初挑戦となった次走の弥生賞(G2)では、ここまで無敗で「3冠は確実」と言われていたサンデー産駒の超大物・フジキセキに次ぐ2番人気に支持され、
後方から鋭く追い込んだもののさすがにフジキセキの前では成す術が無く完敗した。
それでも堅実に2着に入ったことで、大崩れしない安定ぶりを示した。
折り合いに難のあったフジキセキが本番と同じ舞台でも、危なげなく完勝したことで、今年の皐月賞はレースを前に、勝者は決まったかの雰囲気が漂っていた。
だが、そんな中、皐月賞を控えた競馬界に衝撃的な大ニュースが駆け巡った。
「フジキセキが屈腱炎で引退!!!!」
この年のクラシック戦線は、フジキセキが総なめにすると目されていたが、
そのフジキセキが皐月賞を前に屈腱炎で引退し、一転混戦模様となったのだった・・。
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< 傍流血統同士の配合から誕生した漆黒の善戦ホース ~ ホッカイルソー(1)~ >
血統的には、父マークオブディスティンクションは傍流血統マンノウォー系の貴重な血を継ぐ種牡馬である。
現役時代はイギリスで走り、クイーンエリザベス2世S(GI)などマイル重賞を3勝した。
現役引退後1991年にJRAによって輸入され、当初は日本軽種馬協会・静内種馬場で繋養されていたが、
協会所属の種牡馬には「異動」というものがあるため、後に鹿児島の日本軽種馬協会・九州種馬場に異動した。
マークオブディスティンクションは、交配頭数こそ増えたものの繁殖牝馬の質の低い九州で、
活躍馬を数多くの輩出し、「九州のサンデーサイレンス」とも言われた。
98年のひまわり賞(九州産馬限定オープンレース)では、なんと14頭中10頭がマークオブディスティンクション産駒だったというエピソードもある。
その九州供用時代の産駒には、新馬戦、フェニックス賞、小倉3歳Sとデビュー3連勝を飾ったコウエイロマンがいる。
そのマークオブディスティンクションは1996年に10歳という若さでセン痛のため逝ってしまった。
貴重なマンノウォーの血を継ぐ優秀な種牡馬だっただけに、非常に惜しまれる早世であった。
母ホッカイラブリーは、本馬と同じく北海牧場の生産馬で、遅いデビューとなった4歳夏の未勝利戦で初勝利を飾り、
その後3ヶ月間で6戦したが、2勝目をあげることなく引退した。
繁殖としては、1番仔、2番仔とも出走できなかったが、3番目の仔でホッカイルソーを輩出した。
祖母オプアートは北海牧場がアメリカから輸入した繁殖牝馬で、北海牧場の基礎牝馬となった。
オプアートは、ホッカイノーブル ( 牡 1973 父 ファーザーズイメージ ) 、
ホッカイペガサス( 牡 1981 父 ホッカイダイヤ ) という2頭の長距離重賞を制した産駒を輩出した。
特に、ホッカイダイヤを付けたホッカイペガサスは、北海牧場がステイヤーズSを獲るために配合した馬であるそうだ。
ホッカイラブリーの父でもあるそのホッカイダイヤはドイツからの持込馬で、傍流血統スターリング系の種牡馬である。
現役時代は1975年のステイヤーズSで2着に入るなど10勝した。
種牡馬としては、わずかな産駒を残しただけで、1996年に種牡馬を廃用となっている。
ホッカイルソーがマイナータイプのマークオブディスティンクションを父に持ちながら、
長距離戦でも好成績を残せたのは、このスタミナタイプのホッカイダイヤと母系の血の影響だろう。
また、ホッカイルソーは傍流血統同士の異色の配合の馬でもある。
漆黒で見栄えのする雄大な馬体をもつホッカイラブリー3番仔は、ホッカイルソーと名付けられ、美浦の田中清隆厩舎に入厩した。
田中清隆師と北海牧場は、田中の騎手時代のデビュー戦がホッカイチェリーで、初重賞勝利がホッカイルソーの伯父にあたるホッカイノーブル、
そして調教師としての初重賞勝利がホッカイルソーと、不思議と縁のある関係である。
ホッカイルソーは、旧齢3歳の1994年9月に中山の芝千六でデビューした。
岡部騎手を鞍上に迎え、1番人気に支持されたものの、道中の不利がこたえて10着に敗れた。
連闘で挑んだ折り返しの芝千六の新馬戦でも再び岡部騎手とコンビを組んだが、勝ち馬から7馬身も離された2着に敗れた。
中1週を開け、蛯名騎手に乗り替わった3戦目の芝千六の新馬戦で、ようやく初勝利を飾ることに成功した。
次走の福島のきんもくせい特別(500万下)では、大塚騎手に乗り替わり、ダイタクテイオーの3着に敗れたものの、
続く府中3歳S(OP)で再び蛯名騎手が手綱を取ると、7番人気ながら勝利し、早くもオープン入りを果たした。
これ以降は蛯名騎手が主戦騎手となり、このコンビでクラシック戦線を戦かった。
暮れのホープフルS(OP)では、前走で退けたマイネルブリッジの3着に敗れたものの、
続く年明けのジュニアC(OP)では、そのマイネルブリッジに2馬身差をつける完勝で3勝目を飾り、ダービーまでの出走権を賞金的に確定させた。
重賞初挑戦となった次走の弥生賞(G2)では、ここまで無敗で「3冠は確実」と言われていたサンデー産駒の超大物・フジキセキに次ぐ2番人気に支持され、
後方から鋭く追い込んだもののさすがにフジキセキの前では成す術が無く完敗した。
それでも堅実に2着に入ったことで、大崩れしない安定ぶりを示した。
折り合いに難のあったフジキセキが本番と同じ舞台でも、危なげなく完勝したことで、今年の皐月賞はレースを前に、勝者は決まったかの雰囲気が漂っていた。
だが、そんな中、皐月賞を控えた競馬界に衝撃的な大ニュースが駆け巡った。
「フジキセキが屈腱炎で引退!!!!」
この年のクラシック戦線は、フジキセキが総なめにすると目されていたが、
そのフジキセキが皐月賞を前に屈腱炎で引退し、一転混戦模様となったのだった・・。
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by masa_ishizawa
| 2006-10-13 19:18
| ピックアップ種牡馬