2006年 07月 10日
七夕賞&プロキオンS レース回顧 |
<七夕賞>
今年の七夕賞、ハンデ戦でありながら1~3番人気が1~3着に入るという結果になった。
勝ったメイショウカイドウは、59キロというトップハンデが荒れ馬場で堪えると考え軽視したが、このメンバーでは力が上だったということだろう。
2着のコンゴウリキシオーは、小回りコースで同型馬が多く出走したので、先行争いが激化する、また内側が荒れた馬場によって逃げ馬は不利になると考え軽視したが、今回も単騎で逃げれたことが大きかった。1000M通過が59.0というこの馬場にしては、速いペースで他馬はついていけなかったようだ。ハイラップで飛ばし、そのまま押し切るというのは、最も強いレース内容。この馬の逃げは今後もG2、G3クラスでは脅威となりそうだ。
3着のグラスボンバーは、直線で馬場内側に進路を変更したのが災いしたようだ。荒れ馬場は苦にしない馬だが、メイショウカイドウと馬体と併せていたら結果は違っていたかもしれない。
1~3着に入った馬は強かったと賞賛したいところだが、ハンデ戦だけにそう簡単に終わらすことはできない。
なぜなら、ハンデ戦は全馬の力関係が拮抗するようにハンデを設定し、それがゴール前の混戦や馬券的波乱を生み出すことが魅力となるわけで、1~3番人気が1~3着にそのまま入るという結果は、ハンデキャッパーのハンデの設定ミスと言わざるを得ないからだ。
そもそも今回のハンデには、出走前から疑問を感じていた。
前走で別定重量戦のG2を57キロで完勝したコンゴウリキシオーがなぜ57.5キロなのか?
コンゴウリキシオーは他にもG3勝ちの実績がある。最低でも58キロが妥当だろう。
グラスボンバーも福島記念を57キロで制し、前走でも別定重量戦のG3を57キロで2着に入っている。こちらも最低でも58キロが妥当だろう。
両馬ともメイショウカイドウが59キロという設定なので、それとの比較、兼ね合いで実績より軽くなっている。
メイショウカイドウも小倉記念を58.5キロで制している。59キロというのはおかしいだろう。そもそも同じ馬がハンデ重賞を何勝もするというのはどうだろうか?勝った馬を賞賛するのはもちろんだが、ハンデ戦という特徴を考えた場合、ハンデキャッパーのハンデの設定ミスと言わざるを得ないだろう。
いや、正確にはミスではなく、JRAの思惑が絡んでいるのだろう。
今年はサマー2000シリーズと題して、シリーズ最高得点馬に賞金を与えることで、よりレベルの高い馬の継続出走を促している。
またメイショウカイドウと武豊が福島に来ると来ないでは、馬券の売り上げが大きく違う。
そこでJRAとしては、メイショウカイドウ陣営がすんなり出走するハンデに設定したのではと思ってしまう。
次走もその思惑が絡み、おそらくメイショウカイドウのハンデは軽く抑えられるだろう。
本来ならその実績から60キロが妥当だが、59.5キロとなるのか・・・。
逆にホオキパウェーブがコンゴウリキシオー、グラスボンバーと同じ斤量というのもおかしい。
ホオキパウェーブはオールカマー勝ち、菊花賞2着という実績はあるが、近走は二桁着順を繰り返している。もう少し軽くても良かっただろう。
タガノマイバッハ、トウショウナイトも同様。
実績を加算的な見方によってハンデ設定するからこうなる。
実績馬でも近走の成績が振るわない馬は、ハンデをその分もっと軽くすべきだろう。
そういった設定方法が、よりハンデ戦をおもしろいものとにすると考える。
今年新たに始まったサマー2000シリーズが盛り上がることを願う。
<プロキオンS>
メイショウバトラーの勝利には感動したのと同時に正直驚いた。
私は、血統や前走からこの馬に高いダート適性があることは想像でたが、
1400Mという距離がこの馬にとって少し短いと判断していたからだ。
それにしても、本当に強かった・・・。
故障で長期休養していたのに、大した馬だ。
それとここまで仕上げた高橋成調教師をはじめ関係者の手腕も見事だ。
メイショウバトラーの両親とも高橋成調教師が育てた馬。
マイナー血統をここまで強く育て上げることには頭が下がる。
メイショウバトラーは、今日の内容であれば、大きいところも狙えそうな感じだ。
出走馬との兼ね合いにもよるだろうが、JBCマイルあたりならJBCクラシックやJCダートとの日程的な兼ね合いで、アジュデッィミツオーやカネヒキリの出走はまずないだろううから、チャンスがあるかもと思ってしまう。
ブルーコンコルド・クラスならなんとかいい勝負になるのではとその期待が膨らんでいく。
「体調次第では、相性のいい小倉競馬場で行われる小倉記念への出走もあり得る。」と高橋成調教師は話しているようだが、芝など走らせずにダート戦に専念してもらいたい。
いずれにせよ、同僚のサンレイジャスパーと共に今後が非常に楽しみになった。
メイショウバトラーには、“砂の女王”を目指してもらいたいものだ。
尚、メイショウバトラーについては、次号のメルマガ版の思い入れコラムとして、その思いを書き綴る予定なので、よかったら読んでみて下さい。
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今年の七夕賞、ハンデ戦でありながら1~3番人気が1~3着に入るという結果になった。
勝ったメイショウカイドウは、59キロというトップハンデが荒れ馬場で堪えると考え軽視したが、このメンバーでは力が上だったということだろう。
2着のコンゴウリキシオーは、小回りコースで同型馬が多く出走したので、先行争いが激化する、また内側が荒れた馬場によって逃げ馬は不利になると考え軽視したが、今回も単騎で逃げれたことが大きかった。1000M通過が59.0というこの馬場にしては、速いペースで他馬はついていけなかったようだ。ハイラップで飛ばし、そのまま押し切るというのは、最も強いレース内容。この馬の逃げは今後もG2、G3クラスでは脅威となりそうだ。
3着のグラスボンバーは、直線で馬場内側に進路を変更したのが災いしたようだ。荒れ馬場は苦にしない馬だが、メイショウカイドウと馬体と併せていたら結果は違っていたかもしれない。
1~3着に入った馬は強かったと賞賛したいところだが、ハンデ戦だけにそう簡単に終わらすことはできない。
なぜなら、ハンデ戦は全馬の力関係が拮抗するようにハンデを設定し、それがゴール前の混戦や馬券的波乱を生み出すことが魅力となるわけで、1~3番人気が1~3着にそのまま入るという結果は、ハンデキャッパーのハンデの設定ミスと言わざるを得ないからだ。
そもそも今回のハンデには、出走前から疑問を感じていた。
前走で別定重量戦のG2を57キロで完勝したコンゴウリキシオーがなぜ57.5キロなのか?
コンゴウリキシオーは他にもG3勝ちの実績がある。最低でも58キロが妥当だろう。
グラスボンバーも福島記念を57キロで制し、前走でも別定重量戦のG3を57キロで2着に入っている。こちらも最低でも58キロが妥当だろう。
両馬ともメイショウカイドウが59キロという設定なので、それとの比較、兼ね合いで実績より軽くなっている。
メイショウカイドウも小倉記念を58.5キロで制している。59キロというのはおかしいだろう。そもそも同じ馬がハンデ重賞を何勝もするというのはどうだろうか?勝った馬を賞賛するのはもちろんだが、ハンデ戦という特徴を考えた場合、ハンデキャッパーのハンデの設定ミスと言わざるを得ないだろう。
いや、正確にはミスではなく、JRAの思惑が絡んでいるのだろう。
今年はサマー2000シリーズと題して、シリーズ最高得点馬に賞金を与えることで、よりレベルの高い馬の継続出走を促している。
またメイショウカイドウと武豊が福島に来ると来ないでは、馬券の売り上げが大きく違う。
そこでJRAとしては、メイショウカイドウ陣営がすんなり出走するハンデに設定したのではと思ってしまう。
次走もその思惑が絡み、おそらくメイショウカイドウのハンデは軽く抑えられるだろう。
本来ならその実績から60キロが妥当だが、59.5キロとなるのか・・・。
逆にホオキパウェーブがコンゴウリキシオー、グラスボンバーと同じ斤量というのもおかしい。
ホオキパウェーブはオールカマー勝ち、菊花賞2着という実績はあるが、近走は二桁着順を繰り返している。もう少し軽くても良かっただろう。
タガノマイバッハ、トウショウナイトも同様。
実績を加算的な見方によってハンデ設定するからこうなる。
実績馬でも近走の成績が振るわない馬は、ハンデをその分もっと軽くすべきだろう。
そういった設定方法が、よりハンデ戦をおもしろいものとにすると考える。
今年新たに始まったサマー2000シリーズが盛り上がることを願う。
<プロキオンS>
メイショウバトラーの勝利には感動したのと同時に正直驚いた。
私は、血統や前走からこの馬に高いダート適性があることは想像でたが、
1400Mという距離がこの馬にとって少し短いと判断していたからだ。
それにしても、本当に強かった・・・。
故障で長期休養していたのに、大した馬だ。
それとここまで仕上げた高橋成調教師をはじめ関係者の手腕も見事だ。
メイショウバトラーの両親とも高橋成調教師が育てた馬。
マイナー血統をここまで強く育て上げることには頭が下がる。
メイショウバトラーは、今日の内容であれば、大きいところも狙えそうな感じだ。
出走馬との兼ね合いにもよるだろうが、JBCマイルあたりならJBCクラシックやJCダートとの日程的な兼ね合いで、アジュデッィミツオーやカネヒキリの出走はまずないだろううから、チャンスがあるかもと思ってしまう。
ブルーコンコルド・クラスならなんとかいい勝負になるのではとその期待が膨らんでいく。
「体調次第では、相性のいい小倉競馬場で行われる小倉記念への出走もあり得る。」と高橋成調教師は話しているようだが、芝など走らせずにダート戦に専念してもらいたい。
いずれにせよ、同僚のサンレイジャスパーと共に今後が非常に楽しみになった。
メイショウバトラーには、“砂の女王”を目指してもらいたいものだ。
尚、メイショウバトラーについては、次号のメルマガ版の思い入れコラムとして、その思いを書き綴る予定なので、よかったら読んでみて下さい。
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http://www.mag2.com/m/0000170640.html
by masa_ishizawa
| 2006-07-10 20:00
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