2008年 01月 03日
新春競馬 各地でマイナーオヤジ馬たちが奮闘 名古屋ではニューヒロイン誕生 |
元旦競馬で、ベテランが重賞初制覇を成し遂げた。
明け7歳のリスポンスフウジン(父アイネスフウジン)が、名古屋競馬場で行われた新春盃(ダート1400m)を接戦の末、勝利した。
この勝利が実に89戦目での重賞初制覇となった。
1戦、1戦の積み重ねがついに重賞制覇という形で大きく花開いた。
ここまでタフによく頑張ってきたと思う。
区切りの100戦目もすぐ近くまで見えてきた。
タフで数多く出走を重ねる馬を見ると、私はあの馬を思い出す。
そう、ハートランドヒリュだ。
ハートランドヒリュは127戦に出走し、「無事是名馬」の代表的存在の馬。
だが、皮肉なことにハートランドヒリュはJRA出走記録の128戦目を目前にした調教中に急性心不全を発症し、あっけなく逝ってしまった・・
地方のサラ系の出走記録は、ヒカルサザンクロスの266戦というとてつもない数字があるが、リスポンスフウジンはまだ明け7歳なので、これからどれだけ出走してくれるか興味がそそられるし、それだけでなくここにきてまだ力をつけてきているので、今後のさらなる活躍が楽しみ。
アイネスフウジン産駒は現役ではもう4頭しか残っていない。
とにかく無事に少しでも長く現役で頑張ってもらいたい。
金沢でもベテランが奮闘してくれた。
2日に行われたアクアマリン特別(ダート1700m)で、明け9歳のベストサウンド(父ベストタイアップ)が勝利。ベストサウンドは地方重賞を3勝している馬だが、「まだ錆付いちゃいないぜ」というような見事な切れ味の末脚で健在ぶりを見せてくれた。
オヤジになってもギンギンにロックを奏でている“キレ者オヤジ”といった感じのベストサウンド。いつまで錆付かずいてくれるか・・。
そんなベストサウンドの父ベストタイアップは昨年種牡馬を引退。競走馬登録している産駒は5頭のみ。
ベストタイアップの持っていた資質を考えると、もっと配合相手の質に恵まれれば種牡馬としてもっと良い成績を残せただろうと思うのだが、やはり主な戦績が重賞2勝では仕方のないところか。GIを獲れる素質があっただけに、5歳時にようやく本格化を遂げた矢先の故障が実に惜しまれる・・。あの故障がなければ、その後の競走成績だけでなく、種牡馬としての需要も違っていたはず。
ベストタイアップの競走生活を振り返っても、やはり競走馬は故障なく競走生活を全うすることが重要だとつくづく思う。
3日の川崎・報知オールスターカップ(川崎記念トライアル、ダート2100m)には、笠松の古豪8歳ミツアキタービン(父ライブリマウント)が遠征。
2番手追走から先頭に並びかけて直線を向いたが、伸びを欠き5着に敗れた。
それでも上位4頭より3~4キロも重い斤量を背負っていたことを考えると、よく走っていると言える。また同斤量で昨年のフェブラリーS3着という実績を持つビッググラスに2馬身以上先着しており、既に全盛期の力はないとは言え、改めてこの馬の底力を思い知らされた。ただ、斤量差を考えれば、軽量馬と直線で追い比べをしては分が悪いだけに、道中頭を上げて折り合いを欠いたところで、無理に抑えるのではなく行かせても良かったのではと思う。それでも、終始行きっぷりが良かったことはこの馬の闘志に衰えがないことの表れでもあり、次走に期待を持たせてくれた。素晴らしい能力がありながら故障に泣かされ続けてきたこの馬こそ、現役生活の最期に近づいていくこれからは無事に走り抜き、最後まで競争生活を全うして欲しいと思う。
3日の園田の重賞・新春賞(ダート1870m)では8歳馬のマグマサイン(父スズカコバン) が7番人気ながら勝ち馬から0.3秒差の4着に入る健闘を見せてくれた。
いやー、ほんと惜しかった。スタートしてからすぐに1頭ポツンと後方から追走。直線で外からよく追い込んできたが、1馬身ほど届かず・・。4コーナーで大外を回したロスの差か。
惜しくも今年8月の摂津盃以来の重賞2勝目はならなかったが、重賞2勝目に期待を持たせてくれる走りだった。スズカコバンの現役産駒は4頭しか残っておらず、どの馬も7歳以上の高齢馬ばかりだが、最後にもう一花咲かせて欲しいと思う。
年明け早々からオヤジ馬が泥臭く奮闘する一方で、さっそうと快勝した“うら若い乙女”もいた。
その名もサチコゴージャス。
いかにも地方的でマイナーな雰囲気が漂う微笑ましい名前だ。
一瞬、サチノゴージャスかと思ったが、「サチノ」ではなく「サチコ」だった・・
おそらく、この「サチコ」はあの小林幸子からとったものではないだろうか。
「サチコ」と「ゴージャス」という二つの言葉から連想できるのは、あのど派手な衣装を身にまとった小林幸子しかいない。
あのど派手な衣装は「ゴージャス」という概念を超越してしまっているが・・
さて、サチコゴージャスであるが、彼女はまだオバサンじゃない。400キロそこそこしなかい小柄な馬体のか弱い3歳牝馬。
このサチコゴージャスが、2日、名古屋競馬場で行われた新春ペガサスC(ダート1600m)で、牡馬相手に2着以下を4馬身ぶっちぎるという見事な逃げ切り勝ちで重賞初制覇を飾った。これで通算成績を11戦2勝とした。
サチコゴージャスの血統は、父がグランドオペラで、母系にはダンスホール、モガミ、パーソロン、スピードシンボリという種牡馬の名が並ぶゴージャスというより今では時代遅れとなってしまった渋く味わいのある感じがするものとなっている。それでもモガミ、パーソロンなどは光り輝く一時代があった種牡馬でもあるだけに、料理で例えれば正月だからと言って食べる家庭も年々少なくなってきた「おせち」といった感じか。
この母系に配された「おせち」的な種牡馬の名を見て、ピンと来た人もいると思うが、母系はシンボリ牧場ゆかりの系統。
母グランドゴージャスもシンボリ牧場の生産馬で佐賀と川崎で13勝した。
この母系の日本での祖は、シンボリ牧場が英国から輸入した米国産のスヰート(6代母)。
この一族からは70年天皇賞(秋)馬メジロアサマ(牡 1966 父パーソロン)、天皇賞(春)と宝塚記念で2着に入ったサクラガイセン(牡 1980 父パーソロン)、87年にNZT4歳Sを制し、菊花賞で3着、有馬記念でも2着に入ったユーワジェームス (牡 1984 父モガミ)、98年にシンザン記念、チューリップ賞を連勝し、桜花賞でも1番人気に支持されたダンツシリウス (牝 1995 父タマモクロス)といった渋い活躍馬が出ている。
メルマガ版で紹介してきたマイナーどころでは、中央のダートを3勝したグランドホイッスル(父シアトルスズカ)や先日、スマートボーイ産駒のJRA初勝利を遂げたファンタジックキーなどがこの一族出身。
サチコゴージャスは、昨年4月にホッカイドウ競馬でデビューし、9戦1勝の成績を残して現厩舎に移籍し、今回が移籍2戦目だった。
2歳戦ではレベルの高いホッカイドウ競馬のオープンクラスでもそこそこの走りを見せていたが、今回は距離が伸びたことで良さが出てきたようだ。
血統的にも母系にはスタミナ豊富な種牡馬が代々配されており、今後さらに距離が伸びても問題ないだろう。またNorthern Dancer系の種牡馬が3代続く配合からは成長力も期待できる。
名古屋の快速ヒロインといえば、昨年はぶっちぎりの快走を何度も見せてくれたカリスタグローリ産駒シンメイジョアーというひとつ上の先輩がいる。
そのシンメイジョアーでさえ、昨年のこのレースでは牡馬相手に2着に敗れている。
サチコゴージャスにはシンメイジョアーに負けないくらいの活躍を期待したい。
奇しくもシンメイジョアーと同じく丸野勝虎騎手とのコンビだ。
サチコゴージャスという地味な血統の小柄な牝馬が、これから名実ともにゴージャスな活躍を見せてくれることを期待する。
そして、将来は小林幸子ばりのツワモノのオバチャン馬になっているかもしれない。
また名古屋に将来が楽しみなニューヒロインが誕生した。
このレースには他にもマイナー種牡馬産駒が何頭か出走していた。
1番人気に支持された牝馬のイーストミー(父レギュラーメンバー)は6着に終わったが、オリオンジャック(父ラスカルスズカ)、ノゾミカイザー(父ユートカイザー)という人気牡馬勢がそれぞれ2着と3着に入り、マイナー種牡馬産駒が上位を独占した。
メルマガ版では毎週、マイナー種牡馬の産駒のレース結果と
マイナー種牡馬を1頭ピックアップして特集する他、
マイナー種牡馬ランキングやマイナー種牡馬産駒番付も掲載しています。
「頑張れ!!マイナー種牡馬とその産駒たち」
のメルマガ版はこちらから無料で登録できます。 バックナンバーも見れます。
http://blog.mag2.com/m/log/0000170640/
明け7歳のリスポンスフウジン(父アイネスフウジン)が、名古屋競馬場で行われた新春盃(ダート1400m)を接戦の末、勝利した。
この勝利が実に89戦目での重賞初制覇となった。
1戦、1戦の積み重ねがついに重賞制覇という形で大きく花開いた。
ここまでタフによく頑張ってきたと思う。
区切りの100戦目もすぐ近くまで見えてきた。
タフで数多く出走を重ねる馬を見ると、私はあの馬を思い出す。
そう、ハートランドヒリュだ。
ハートランドヒリュは127戦に出走し、「無事是名馬」の代表的存在の馬。
だが、皮肉なことにハートランドヒリュはJRA出走記録の128戦目を目前にした調教中に急性心不全を発症し、あっけなく逝ってしまった・・
地方のサラ系の出走記録は、ヒカルサザンクロスの266戦というとてつもない数字があるが、リスポンスフウジンはまだ明け7歳なので、これからどれだけ出走してくれるか興味がそそられるし、それだけでなくここにきてまだ力をつけてきているので、今後のさらなる活躍が楽しみ。
アイネスフウジン産駒は現役ではもう4頭しか残っていない。
とにかく無事に少しでも長く現役で頑張ってもらいたい。
金沢でもベテランが奮闘してくれた。
2日に行われたアクアマリン特別(ダート1700m)で、明け9歳のベストサウンド(父ベストタイアップ)が勝利。ベストサウンドは地方重賞を3勝している馬だが、「まだ錆付いちゃいないぜ」というような見事な切れ味の末脚で健在ぶりを見せてくれた。
オヤジになってもギンギンにロックを奏でている“キレ者オヤジ”といった感じのベストサウンド。いつまで錆付かずいてくれるか・・。
そんなベストサウンドの父ベストタイアップは昨年種牡馬を引退。競走馬登録している産駒は5頭のみ。
ベストタイアップの持っていた資質を考えると、もっと配合相手の質に恵まれれば種牡馬としてもっと良い成績を残せただろうと思うのだが、やはり主な戦績が重賞2勝では仕方のないところか。GIを獲れる素質があっただけに、5歳時にようやく本格化を遂げた矢先の故障が実に惜しまれる・・。あの故障がなければ、その後の競走成績だけでなく、種牡馬としての需要も違っていたはず。
ベストタイアップの競走生活を振り返っても、やはり競走馬は故障なく競走生活を全うすることが重要だとつくづく思う。
3日の川崎・報知オールスターカップ(川崎記念トライアル、ダート2100m)には、笠松の古豪8歳ミツアキタービン(父ライブリマウント)が遠征。
2番手追走から先頭に並びかけて直線を向いたが、伸びを欠き5着に敗れた。
それでも上位4頭より3~4キロも重い斤量を背負っていたことを考えると、よく走っていると言える。また同斤量で昨年のフェブラリーS3着という実績を持つビッググラスに2馬身以上先着しており、既に全盛期の力はないとは言え、改めてこの馬の底力を思い知らされた。ただ、斤量差を考えれば、軽量馬と直線で追い比べをしては分が悪いだけに、道中頭を上げて折り合いを欠いたところで、無理に抑えるのではなく行かせても良かったのではと思う。それでも、終始行きっぷりが良かったことはこの馬の闘志に衰えがないことの表れでもあり、次走に期待を持たせてくれた。素晴らしい能力がありながら故障に泣かされ続けてきたこの馬こそ、現役生活の最期に近づいていくこれからは無事に走り抜き、最後まで競争生活を全うして欲しいと思う。
3日の園田の重賞・新春賞(ダート1870m)では8歳馬のマグマサイン(父スズカコバン) が7番人気ながら勝ち馬から0.3秒差の4着に入る健闘を見せてくれた。
いやー、ほんと惜しかった。スタートしてからすぐに1頭ポツンと後方から追走。直線で外からよく追い込んできたが、1馬身ほど届かず・・。4コーナーで大外を回したロスの差か。
惜しくも今年8月の摂津盃以来の重賞2勝目はならなかったが、重賞2勝目に期待を持たせてくれる走りだった。スズカコバンの現役産駒は4頭しか残っておらず、どの馬も7歳以上の高齢馬ばかりだが、最後にもう一花咲かせて欲しいと思う。
年明け早々からオヤジ馬が泥臭く奮闘する一方で、さっそうと快勝した“うら若い乙女”もいた。
その名もサチコゴージャス。
いかにも地方的でマイナーな雰囲気が漂う微笑ましい名前だ。
一瞬、サチノゴージャスかと思ったが、「サチノ」ではなく「サチコ」だった・・
おそらく、この「サチコ」はあの小林幸子からとったものではないだろうか。
「サチコ」と「ゴージャス」という二つの言葉から連想できるのは、あのど派手な衣装を身にまとった小林幸子しかいない。
あのど派手な衣装は「ゴージャス」という概念を超越してしまっているが・・
さて、サチコゴージャスであるが、彼女はまだオバサンじゃない。400キロそこそこしなかい小柄な馬体のか弱い3歳牝馬。
このサチコゴージャスが、2日、名古屋競馬場で行われた新春ペガサスC(ダート1600m)で、牡馬相手に2着以下を4馬身ぶっちぎるという見事な逃げ切り勝ちで重賞初制覇を飾った。これで通算成績を11戦2勝とした。
サチコゴージャスの血統は、父がグランドオペラで、母系にはダンスホール、モガミ、パーソロン、スピードシンボリという種牡馬の名が並ぶゴージャスというより今では時代遅れとなってしまった渋く味わいのある感じがするものとなっている。それでもモガミ、パーソロンなどは光り輝く一時代があった種牡馬でもあるだけに、料理で例えれば正月だからと言って食べる家庭も年々少なくなってきた「おせち」といった感じか。
この母系に配された「おせち」的な種牡馬の名を見て、ピンと来た人もいると思うが、母系はシンボリ牧場ゆかりの系統。
母グランドゴージャスもシンボリ牧場の生産馬で佐賀と川崎で13勝した。
この母系の日本での祖は、シンボリ牧場が英国から輸入した米国産のスヰート(6代母)。
この一族からは70年天皇賞(秋)馬メジロアサマ(牡 1966 父パーソロン)、天皇賞(春)と宝塚記念で2着に入ったサクラガイセン(牡 1980 父パーソロン)、87年にNZT4歳Sを制し、菊花賞で3着、有馬記念でも2着に入ったユーワジェームス (牡 1984 父モガミ)、98年にシンザン記念、チューリップ賞を連勝し、桜花賞でも1番人気に支持されたダンツシリウス (牝 1995 父タマモクロス)といった渋い活躍馬が出ている。
メルマガ版で紹介してきたマイナーどころでは、中央のダートを3勝したグランドホイッスル(父シアトルスズカ)や先日、スマートボーイ産駒のJRA初勝利を遂げたファンタジックキーなどがこの一族出身。
サチコゴージャスは、昨年4月にホッカイドウ競馬でデビューし、9戦1勝の成績を残して現厩舎に移籍し、今回が移籍2戦目だった。
2歳戦ではレベルの高いホッカイドウ競馬のオープンクラスでもそこそこの走りを見せていたが、今回は距離が伸びたことで良さが出てきたようだ。
血統的にも母系にはスタミナ豊富な種牡馬が代々配されており、今後さらに距離が伸びても問題ないだろう。またNorthern Dancer系の種牡馬が3代続く配合からは成長力も期待できる。
名古屋の快速ヒロインといえば、昨年はぶっちぎりの快走を何度も見せてくれたカリスタグローリ産駒シンメイジョアーというひとつ上の先輩がいる。
そのシンメイジョアーでさえ、昨年のこのレースでは牡馬相手に2着に敗れている。
サチコゴージャスにはシンメイジョアーに負けないくらいの活躍を期待したい。
奇しくもシンメイジョアーと同じく丸野勝虎騎手とのコンビだ。
サチコゴージャスという地味な血統の小柄な牝馬が、これから名実ともにゴージャスな活躍を見せてくれることを期待する。
そして、将来は小林幸子ばりのツワモノのオバチャン馬になっているかもしれない。
また名古屋に将来が楽しみなニューヒロインが誕生した。
このレースには他にもマイナー種牡馬産駒が何頭か出走していた。
1番人気に支持された牝馬のイーストミー(父レギュラーメンバー)は6着に終わったが、オリオンジャック(父ラスカルスズカ)、ノゾミカイザー(父ユートカイザー)という人気牡馬勢がそれぞれ2着と3着に入り、マイナー種牡馬産駒が上位を独占した。
メルマガ版では毎週、マイナー種牡馬の産駒のレース結果と
マイナー種牡馬を1頭ピックアップして特集する他、
マイナー種牡馬ランキングやマイナー種牡馬産駒番付も掲載しています。
「頑張れ!!マイナー種牡馬とその産駒たち」
のメルマガ版はこちらから無料で登録できます。 バックナンバーも見れます。
http://blog.mag2.com/m/log/0000170640/
by masa_ishizawa
| 2008-01-03 22:33
| 地方競馬